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    #1

    どろぶた 幸せを約束された豚

    〜北海道帯広周辺を巡る〜

    北海道 幕別町 エルパソ豚牧場

    暮らし、生きる、食べる

    美味しいものを食べること。
    誰もが平等に幸せな気持ちになれる、数少ない行動。

    その幸せがはどこからやってきて、誰が作るのでしょうか。

    「とんかつを旅する」では「食」に関わる方々の思いを私たちがつむぎます。
    またその背景をより深く理解するため、ときに寄り道もしながら
    土地特有の文化を体験していきます。

    北海道の自然が育てた豚

    記念すべき第1回は北海道幕別町の「どろぶた」です。
    北海道といえば、「食」のイメージが強いのではないでしょうか。
    農業や、海産物‥などなど。食料自給率も100%越えで有名ですよね。
    特に十勝地方は広大な自然を生かした農業、畜産が盛んで、
    帯広では銘柄豚を使った「豚丼」でお馴染みですね。

    今回訪ねる「どろぶた」は一風変わった飼育方法だということで
    北海道帯広市周辺を旅していきます。

    北海道帯広市周辺の地図

    (JAL575便とかち帯広行き)
    (JAL575便とかち帯広行き)
    飛行機からの北海道の風景
    (羽田から帯広までは約1時間半。あっという間に眼下に北海道らしい風景が広がってきます)

    「Fly to Beautiful Japan」。飛行機にプリントされているとおり、豚を介して美しい日本を紹介できれば良いですね。

    豚たちが幸せに暮らす牧場へ

    まずはとかち帯広空港から車で南へ約1時間、幕別町は「エルパソ どろぶた豚牧場」に到着します。

    エルパソ どろぶた豚牧場

    看板をよく見ると、「『どろぶた君、生まれてきて良かったですか?』『この牧場に生まれて幸せでした』」
    とあるのですが、この看板にすべてが集約されていると、後々分かる事になります。

    どろんこになる「どろぶた」
    (見てください!まさにどろぶた!)

    豚は本来、動物の中でもかなりのキレイ好き! どろんこを汚れていると思うのは人間の先入観です。
    自然の中で泥まみれというのは、豚にとってはこの上なく、キレイな環境なのではないでしょうか?

    どろんこになって遊び回っている超健康優良児。そして名前の由来はこの「どろ」だったんですね。
    広い大地を駆け回り、水浴びしたり本来の豚の習性に近い環境でストレスフリーに過ごします。
    木の実も食べて、土も食べるのですが、その中のミネラルが豚の美味しさの秘密でもあるようです。


    のびのび育ったどろぶたはオレイン酸が豊富で甘味とクセののない香りで舌触りがなめらかだそうです。
    オレイン酸は不飽和脂肪酸で「旨み成分の素」とも呼ばれています。一般的に43%以上の含有率の豚肉がAクラスと言われていますが、どろぶたのオレイン酸含有率は45%以上。さらに50%以上のどろぶたはプレミアムどろぶたとして出荷されています。エルパソ豚農場のWEBサイトでは定期的にオレイン酸値の測定を行い、公開もしています。https://elpaso.jp/shop/

    (豚たちは思い思いに過ごします)

    大切にしたのは、お互いが幸せであること

    これまでに他の養豚場もいくつか訪ねていますが、日本の99.9パーセントはゲージの中で
    窮屈に育てられた豚さん達なんです。
    初めて豚の表情を感じられたと言っても大袈裟ではなかったんです。

    このエルパソ豚牧場ができた背景はオーナーの平林さんの経験にありました。
    海外で2年間の農業研修を受けたときに日本の生産者との幸せ度への考え方の違いに驚いたそうです。

    動物を「感受性のある存在」と捉え、家畜にとってストレスや苦痛の少ない飼育環境を目指す。
    ここにいる豚たちはこの「アニマルウェルフェア」の考え方に賛同し育てられているのです。

    オーナーの平林さんはこんな風におっしゃられていたんです。

    よく聞かれるんです。「そうはいってもどうせ殺すんでしょ?」と。

    家畜なのだから、命の期限はある。だけど豚と約束しているんです。
    その期限が来るまでは、お互い幸せに暮らそうと。それまでは人間と家畜の関係ではなく、共同生活者だ。

    その言葉に偽りはないんだと思いました。
    平林さんが声をかけると豚から近づいてくるんです。餌を与えるわけでもないのに。

    平林さんとどろぶた
    (豚たちが平林さんに近づいていきます)
    エルパソ豚牧場の平林さん
    (エルパソ豚牧場ではどろぶたを通じた食育活動なども行っています)

    続いてエルパソ豚牧場から、車で北へ約60分の帯広競馬場へ。

    帯広競馬場
    (明るく開放的な雰囲気です)

    帯広競馬場はマルシェがあったり、イベントが開催されていてファミリー層も多いです。
    最近の競馬場って進化していて親しみやすいですね。いろいろな用途で楽しめそうです。

    こちらはレース中の馬たちです。
    足が太くてたくましく、一般的にイメージされる競走馬とは大きく違いますね。

    ばんえい競馬のルーツは、農村の娯楽として生まれた「お祭りばん馬」。
    北海道の開拓で共に過ごした自慢の馬に力比べをさせたことから始まったそうです。
    その後、馬は農地を耕したり、馬ふんによって地力を高めたり長きにわたり農民のパートナーとして農業に貢献を
    してきたそうです。

    どろぶたを堪能できる地元民おすすめのレストランへ

    お腹も空いたところで、ランチは帯広競馬場から車で約5分。「ランチョ・エルパソ」へ
    そうです!こちらは先程紹介した「エルパソ豚牧場」の運営するレストランなんです。

    ランチョエルパソの外観
    (風土が「food」を造る)

    どろぶたと地元産の野菜が味わえる十勝ならではメニューが並びます。
    特に素材の良さを楽しめるシンプルなメニューはまさにお肉の味が生きています。

    どろぶたのステーキ
    (どろぶたのステーキ)
    ランチョ・エルパソのベーコンとウインナーのグリル
    (ベーコンとウインナーのグリル)

    また、どろぶたのソーセージをはじめとした加工品も購入できますので、お土産にもおすすめです。
    ランチョ・エルパソではこだわりの食事のほかに音楽ライブや、パーティーなどのイベントも開催しているようです。
    食を通じて集い楽しさを共有できるって素敵ですね。地元民に愛される名店でした。

    今回の帯広周辺の旅では「どろぶた」の背景と、周辺を散策しました。
    これまでも様々な養豚場を訪ねてきましたが、豚に対する想い・考え方は人それぞれだなあと実感しました。
    今後も各地の銘柄豚とその想いを探っていきます。次回の旅もお楽しみに!

    おまけ

    早起きをして熱気球に乗ってみました!

    どろぶたが購入できる・食べられるお店

    あなたの暮らす街の近くでもどろぶたが食べられるかも知れません
    URL
    https://elpaso.jp/shoplist/
    ※季節、仕入れ状況によります。

    tonkatsu.jp表参道でも「どろぶた」が食べられます。
    ※季節、仕入れ状況によります。

    旅のギャラリー

    今回訪れた場所

    エルパソ豚牧場

    エルパソ豚牧場

    北海道中川郡幕別町忠類中当45番地1

    URL
    https://elpaso.jp/
    ※通販もございます。

    帯広競馬場

    帯広競馬場

    北海道帯広市西13条南9丁目

    URL
    https://banei-keiba.or.jp/

    ランチョ・エルパソ

    ランチョ・エルパソ

    北海道帯広市西16条南6丁目13−20

    URL
    http://rancho-elpaso.jp/

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