「金子渉さんのプロトタイプM」
今週から、「天城黒豚」「伊豆の太湖豚」を育てる金子渉さんの新作が加わりました。
「天城黒豚」をベースに「マンガリッツァ」の血を持つ豚を掛け合わされた豚です。「マンガリッツァ」とはハンガリーの国宝にも指定されているほど貴重な血統で、赤身は天城黒豚よりも濃厚、脂の融点も非常に低いのが特徴です。
金子さんが試行錯誤を重ねできあがった「新作」、しかしながら、まだ名前が決まっていません。tonkatsu.jpでは「金子渉さんのプロトタイプM」と言う仮称で販売開始させていただきました。
そもそもこの豚の血統は、金子さんが手塩にかけて育てられた「天城黒豚」がベースになっています。tonkatsu.jpで2ヶ月ほど前から提供させていただいている、「伊豆の太湖豚」も「天城黒豚」に「梅山豚」を2回掛け合わせてできた豚。今回の「プロトタイプM」(Mはマンガリッツァからとっています)は「天城黒豚」×「マンガリッツァ」。金子さんがより美味しい豚を求めて研究を重ねられている一つの結果です。
マンガリッツァの特徴は、とろけるような脂身と、濃厚な甘みのバランスの良さ。そこに純粋バークシャーの天城黒豚の繊維の細かく、しっとりとした赤身の特徴を加えられいます。
金子さんはご自分で育てた豚のホルモン(内臓)を、毎週、と畜したその日に食べられています。
金子さんの頭の中には、目の前のホルモンが、いつ生まれて、兄弟がどの豚で、どのような餌を与えて、どのように育ち、どのように出荷のタイミングを見極められた「豚」か、その情報全てがリンクされるのでしょう。見た目だけでは分からない肉質を実際に自分で食することで、次なる改善のプロセスにつなげられているのだと思います。
それを毎日、毎週重ねることで、「飼育のプロセスが、どのような結果(肉質)につながるか」を確認・調整しながら、「豚をつくり上げる、その精度」まで上げ続けていらっしゃるのだと思います。
我々は、金子さんのその想いをしっかりと引き継ぎ、恥ずかしくない「とんかつ」に仕上げなければなりません。脂身やサシのしっかり入った豚ほど「揚げ」の技術も求められます。金子さんの求める肉質を100%生かし切るためには、金子さんに負けない情熱で揚げていかなければならないと思います。とても気が引き締まるのです。
ちなみに、金子さんが育てられた豚のホルモンは、恵比寿にある「婁熊東京」さん、橋本駅近くの「フライデーソックス」さんで食べることができます。基本的には毎週水曜日にと畜されるそうですから、水曜日を狙ってご予約なさると最も新鮮なホルモンをお楽しみいただけるのはないでしょうか?(実際の入荷は、それぞれのお店に確認願います)